2026年度税制改正で賃上げ税制は縮小へ?企業が押さえておきたいポイント

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#法人税
穴井 孝昌

穴井 孝昌

2025年12月に公表された2026年度税制改正大綱では、企業の賃上げを後押ししてきた「賃上げ促進税制」に大きな見直しが盛り込まれました。

これまで政府は賃上げを強力に促すため税制優遇を拡充してきましたが、今回の改正では制度の縮小・整理が進められています。
今回は、税理士の視点から2026年の賃上げ税制の変更点と企業への影響を解説します。


賃上げ促進税制とは

賃上げ促進税制とは、従業員の給与を前年より増加させた企業に対して法人税の税額控除を認める制度です。

給与総額が一定割合以上増加した場合、
その増加額の一部を法人税(または所得税)から控除できる仕組みです。

企業による賃上げを促進し、消費拡大と経済成長を狙って導入されました。


2026年度税制改正の大きなポイント

今回の税制改正では、賃上げ税制の縮小・整理が明確に打ち出されています。

①大企業向け賃上げ税制は廃止

大企業向けの賃上げ促進税制は

2026年3月31日で前倒し廃止

となりました。

背景としては、近年の春闘では賃上げ率が高水準となっており、
「税制支援がなくても賃上げが進む」と判断されたことがあります。


②中堅企業向け制度は要件強化

従業員2000人以下の中堅企業向け制度は継続しますが、

  • 賃上げ要件の引き上げ
  • 控除制度の見直し

など、適用条件が厳しくなる方向です。

例えば給与増加率の要件が
3% → 4%以上へ引き上げられるなど、
より高い賃上げを行う企業に限定される可能性があります。


③教育訓練費の上乗せ措置は廃止

これまで賃上げ税制では

  • 教育訓練費の増加
  • 人材投資

などにより税額控除が上乗せされる仕組みがありました。

しかし2026年改正では
教育訓練費による控除の上乗せ措置は廃止される予定です。


④中小企業向け制度も見直し

中小企業向けの賃上げ税制は当面維持されますが、

  • 控除率の引き下げ
  • 制度の整理

など、段階的な縮小が検討されています


なぜ賃上げ税制は縮小されるのか

今回の見直しの背景には、次のような事情があります。

①賃上げの流れが定着しつつある
近年の春闘では約30年ぶりの高い賃上げ率が続いています。

②税制優遇の整理(租税特別措置の見直し)
政府は税制の公平性確保の観点から、
各種優遇措置の整理を進めています。

③政策の重点が「投資促進」に移行
設備投資税制や研究開発税制など、
成長投資を促す税制に重点が移りつつあります。


中小企業が今後注意すべきポイント

賃上げ税制の縮小により、企業は次の点に注意が必要です。

①税額控除を前提とした賃上げ計画は見直しが必要

②制度の期限を意識した活用が重要

③設備投資税制など他制度との併用を検討

税制改正によって、「賃上げだけで節税」という時代は徐々に終わりつつあるとも言えます。


まとめ

2026年度税制改正では、賃上げ促進税制について

  • 大企業向け制度の廃止
  • 中堅企業向け制度の要件強化
  • 教育訓練費上乗せの廃止
  • 中小企業制度の見直し

など、制度の縮小・整理が進められます。

今後は

  • 賃上げ
  • 人材投資
  • 設備投資

を組み合わせた経営戦略が、より重要になるでしょう。

当事務所では、税制改正を踏まえた
賃上げ税制の適用判断や税額シミュレーションも行っています。

税制改正への対応についてお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

穴井 孝昌

穴井 孝昌

昭和54年11月23日大分県中津市生まれ
小学校入学祝いにファミコンをもらって以来のゲーム好き
高校時代登山部部長として県大会3位
司法試験受験歴あり。その中で弁護士の女性(妻)と出会う。
歴史もの(特に日本史)に興味あり。
趣味は野球観戦(オリックス・バファローズ)
見た目(187cm)通り、頼れる担当と認めて頂けるよう頑張ります。