皆さん、こんにちは。
映画「国宝」観ましたか?
個人的には過去一くらいで面白い映画だったと感じました。
上映時間が長い映画でしたが、わりと最後まで集中して観ることができました。
素晴らしい映画です。
映画の途中で「相続」という言葉がでてきます。
職業柄、反応してしまいますね。
ネタバレ回避のため詳しくは申しませんが、
この劇中の「相続」という言葉は、我々が一般的に思い浮かべる「相続」とは違うのかなと思います。(そのあたりも映画内容が若干うろ覚えではありますが。💦)
歌舞伎業界では実際に亡くなっていなくても、「相続」という言葉を使うのかな、と。
さて、このブログでは歌舞伎業界と相続を絡めた記事にしてみました。
「市川家」
素人ながら、歌舞伎といえば「市川」という名前が有名なイメージがあります。
調べたところ、歌舞伎界において「市川團十郎」「市川家」は江戸歌舞伎の中心を担ってきた大名跡であり、「歌舞伎の始祖・礎を築いた系譜」と位置づけられているようです。
市川一門は伝統芸能の正統を背負う象徴的な存在、ということですね。
市川猿之助の自殺ほう助事件
市川猿之助さん。
屋号は「澤瀉屋(おもだかや)」です。
歌舞伎界には市川團十郎さんをはじめ市川姓が多く、團十郎さんであれば「成田屋」。
血縁関係はなく、いわゆる「市川一門」には属しますが、別の家系となるようです。
2023年、市川猿之助氏と両親が自宅で意識もうろうの状態で発見されました。
このうち両親(父・段四郎、母)は死亡。猿之助本人は生存。
ご両親の死因としては自殺となっており、猿之助さんは両親の自殺ほう助の罪で有罪判決を受けました。
歌舞伎界の名門出身という立場もあり、世間に大きな衝撃を与えました。
ここで今回注目したいのは、自殺ほう助と相続権(遺産相続)との関係です。
相続欠格とは?(民法第891条)
民法第891条は「相続欠格事由」を定めています。
相続欠格とは、一定の重大な行為をした者が相続人としての資格を失う制度です。
代表的な欠格事由は以下のとおりです。
・被相続人や先順位の相続人を故意に死亡させた場合
・遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した場合
・被相続人に強迫を行い遺言をさせた場合
つまり、被相続人を故意に死亡させた場合は、相続人としての資格を失うことになります。
自殺ほう助は相続欠格になる?
問題は「自殺ほう助」が欠格事由に該当するかどうかです。
法律上、自殺は本人の意思による行為ですが、それを「手助け」した場合には、
「被相続人を故意に死亡させた」とされる可能性があります。
裁判例でも、自殺幇助が相続欠格に当たるかはケースごとに判断が分かれるため、
非常にセンシティブな問題です。
参考
・「偽装心中」最高裁( 昭和31(あ)2220)
・遺言妨害型の代表判例( 平成6(オ)804)
・そのほか宥恕(ゆうじょ)を巡る下級審もあります。
欠格者が出た場合の相続への影響
欠格者は「最初から相続人でなかったもの」と扱われます。
その結果、
・欠格者本人は相続できない
・ただし欠格者の子は代襲相続できる(子孫に影響は及ばない)
というルールが適用されます。
つまり、家族の誰かが欠格になった場合でも、その子どもが相続権を受け継ぐ可能性があります。
以上、あまり無いケースだとは思いますが、「国宝」を観て、ふと思い出したので「欠格」についての記事にしてみました。
それでは。
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