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税理士法人ティームズの近藤です。
溶けそうなくらい暑い今日のこの頃、くれぐれも熱中症にはご注意下さい。

さて、本日は同性カップルや内縁関係者の相続についてお話させて頂きます。
🔷同性カップルと内縁関係者の相続の現状
日本の民法において、相続権が認められるのは「法定相続人」のみです。法定相続人は、配偶者(法律婚をしている配偶者)と血族(子、孫、直系尊属、兄弟姉妹)に限られます。
・同性カップル: 法律上は婚姻が認められていないため、お互いに法定相続人にはなれません。
・内縁関係者: 事実婚の状態であっても、法律上の婚姻関係がないため、お互いに法定相続人にはなれません。
このため、パートナーが亡くなった場合、たとえ長年連れ添った仲であっても、何も対策をしていないと、残されたパートナーは故人の財産を一切相続できません。財産は、故人の親、兄弟姉妹、あるいは遠い親族に渡ってしまいます。相続人が誰もいない場合は、最終的に国庫に帰属します。
🔷相続に関する課題
法的な相続権がないことから、以下のような課題が生じます。
・財産の承継ができない: 故人の預貯金、不動産、自動車など、名義が故人になっている財産を、残されたパートナーは相続できません。
・居住権の喪失: 故人名義の持ち家で一緒に暮らしていた場合、その家は相続人のものとなり、残されたパートナーは住み続けることが困難になる可能性があります。
・葬儀・埋葬の決定権がない: 故人の遺志を汲んだ葬儀や埋葬を行うことが難しい場合があります。
・事務手続きの困難さ: 故人の死亡後の各種手続き(公共料金の解約、携帯電話の解約など)がスムーズに行えないことがあります。
🔷今できる対策(非常に重要!)
これらの課題を解決し、残されるパートナーの生活と権利を守るためには、生前からの準備と対策が不可欠です。
(1) 遺言書の作成(最も基本的な対策)
・内容: 自分の財産を、法定相続人ではないパートナーに遺す旨を明確に記載します。
・注意点: 法定相続人(親、子、兄弟姉妹など)に「遺留分」がある場合、遺言書があっても、その遺留分を侵害する部分は請求される可能性があります。遺留分を考慮した遺言内容にすることが望ましいです。
(2)家族信託の活用
・内容: 自分の財産を、信頼できる家族やパートナー(受託者)に託し、自分が死亡した後の財産の承継先をあらかじめ指定しておくことができます。
・注意点: 契約内容が複雑になるため、専門家(司法書士、弁護士、税理士)との連携が必須です。初期費用もかかります。
(3)任意後見契約
・内容: 自分が元気なうちに、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、財産管理や介護・医療に関する契約などを任せる人(任意後見人)を、パートナーなどご自身で選んでおく契約です。
・メリット: 自分が判断能力を失った後の生活や財産管理を、希望する人に任せられます。
・注意点: 効力が発生するのは判断能力低下後で、相続が発生した後の財産承継の直接的な対策にはなりません。また、家庭裁判所による監督があり、報酬が発生する場合もあります。
(4)生命保険の活用
・内容: 生命保険の死亡保険金の受取人をパートナーに指定しておくことで、死亡時に保険金が直接パートナーに支払われます。
・メリット: 保険金は受取人固有の財産であり、遺産分割協議の対象外となるため、確実にパートナーに資金を渡すことができます。また、非課税枠も利用できます。
・注意点: 保険法上、死亡保険金の受取人に指定できる範囲が限定されている場合があります(二親等内の親族など)。保険会社に確認が必要です。
(5)賃貸借契約・不動産購入
・内容: 共同で住む家の名義を、どちらか一方だけでなく、共同名義にしておく、あるいは賃貸借契約を二人で結んでおくことで、一方に万が一のことがあった場合でも、残されたパートナーが住み続けやすくなります。
・注意点: 不動産を共同購入する場合、出資割合に応じた名義登記が必要です。贈与税の発生にも注意しましょう。
🔷まとめ
同性カップルや内縁関係者の相続においては、法律上の相続権がないため、生前対策がすべてと言っても過言ではありません。遺言書、家族信託などを組み合わせ、パートナーの生活と意思を確実に守るための対策を講じることが非常に重要です。
ご自身の状況に合わせ、信頼できる専門家(弁護士、司法書士、税理士、行政書士等)に早めに相談することをお勧め致します。
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