
◆はじめに
人手不足が深刻化する中で、「従業員のスキルアップ」や「非正規社員の処遇改善」は、多くの企業にとって重要な課題です。
そんな中、厚生労働省が支援する【キャリアアップ助成金】は、人材育成や雇用定着を目的とした企業向けの支援制度として注目を集めています。
この記事では、キャリアアップ助成金の基本概要から、種類、申請の流れ、活用時の注意点まで、わかりやすく解説します。
◆キャリアアップ助成金とは?
キャリアアップ助成金は、有期雇用やパートタイムなど非正規雇用の労働者の処遇を改善した企業に対して支給される助成金です。
たとえば、
• 契約社員を正社員に転換した
• 能力開発や研修を実施した
• 賃金規定を改善した
といった取り組みに対して、一定額の助成金が支給されます。
◆代表的なキャリアアップ助成金のコース
キャリアアップ助成金は、以下7つの「コース」に分かれており、自社の取り組みに応じて申請が可能です。(令和7年7月時点)
1.正社員化コース
有期雇用や無期雇用の労働者、派遣社員などの非正規雇用者を正社員に転換するか、直接雇用する場合に支給。
2.障害者正社員化コース
障害を持つ有期雇用の労働者を正規雇用(勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員を含む)への転換で支給。
3.賃金規定等改定コース
非正規社員の賃金規定を見直し、その結果3%以上の昇給を実施した事業主へ支給。
4.賃金規定等共通化コース
社員と同様の職務に基づく賃金テーブルを導入し、全ての非正規社員に新しい賃金規定を適用する事業主へ支給。
5.賞与・退職金制度導入コース
非正規社員に賞与や退職金を新たに導入する事業主へ支給。
6.社会保険適用時処遇改善コース
短時間労働者に対し、新たに社会保険の被保険者となった際に手当支給・賃上げ・労働時間延長を行う、もしくは労働時間を延長して新たに社会保険の被保険者とした場合に支給。
7.短期労働者労働時間延長支援コース🆕
社会保険の壁である「130万円の壁」を超えないように就業時間を調整するパート従業員に対して、社会保険加入を促進する企業へ最大50万円の助成金を支給。
◆申請の流れ
1.キャリアアップ計画の作成・提出(事前申請)
まずは「キャリアアップ計画書」を作成し、労働局に提出します。提出前の転換や制度導入は対象外になるため、必ず事前に申請が必要です。
2.対象措置の実施(例:正社員転換、制度改正など)
3.支給申請(転換後6か月経過後)
4.審査・支給決定(約4~6か月)
◆注意点とポイント
• 事前申請を忘れない!
キャリアアップ助成金は「事前に計画書の提出」が必須です。提出前に対象となる措置を実施してしまうと助成対象になりません。
• 記録と書類管理がカギ
賃金台帳、出勤簿、労働条件通知書など、必要書類が多く、労務管理体制がしっかりしていることが前提となります。
• 制度の変更に注意
年度ごとに制度内容や助成金額が変更されることがあるため、常に最新情報を確認しましょう。
◆まとめ
キャリアアップ助成金は、非正規社員の処遇改善や企業の人材戦略を後押ししてくれる非常に有用な制度です。
正社員化や制度の整備を検討している企業は、助成金を活用することで費用負担を抑えながら、組織の底上げを図ることができます。
とはいえ、申請には手間もかかるため、社会保険労務士や専門家に相談しながら進めるのも一つの手です。
人材育成と経営安定のために、今こそキャリアアップ助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか?
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