遺産分割と相続税率の落とし穴 ― 法定相続分の活用とは?

#相続税
近藤 修

税理士

近藤 修

○遺産分割とは ― 話し合いで決まる相続の行方

相続が発生したとき、最初に行うべきは「遺産分割」です。これは、亡くなった方(被相続人)の財産を誰がどのように分けるかを決める手続きで、基本的には相続人全員の話し合い(協議)によって行われます。遺言があればそれに従い、なければ法定相続人全員で協議をして内容を決めます。

ただし、円満な話し合いができないケースも多く、分割内容がこじれると手続きが長期化するだけでなく、税務上の問題も発生することがあります。

○法定相続分と相続税率の関係

相続税の計算では、「法定相続分」が重要な役割を果たします。これは民法で定められた相続人ごとの“目安となる取り分”です。たとえば、配偶者と子が相続人の場合、配偶者1/2、子ども1/2(子の人数で等分)といった具合です。

【具体例】

被相続人Aさんには、配偶者Bさんと子ども2人(Cさん・Dさん)がいます。遺産総額は6000万円です。

・法定相続分は以下のとおり:
 配偶者B:1/2(=3000万円)
 子C・D:それぞれ1/4(=1500万円)

しかし、実際には以下のように分けることにしました:

・配偶者B:2000万円

・子C:1000万円

・子D:3000万円

このように子Dが多く相続した結果、Dの取得金額が法定相続分を大きく上回ることになります。
この場合、相続税の負担は遺産を取得する割合が高いほど多くなりますので、子Dは他の相続人よりも多く税金を負担することになります。

実際にはこの通りに分ける必要はありませんが、相続税の基礎控除額や税率区分の計算上、この法定相続分が基準となります。そのため、実際の分割内容がこの基準から大きく外れると、一部の相続人にだけ高い相続税の負担が強いられることもあります。

○節税とトラブル回避のための対策

遺産分割の方法によっては、税負担が大きく変わる可能性があります。たとえば、一人の相続人が不動産をすべて取得するような分割をすると、その人だけ高額の相続税がかかるケースもあります。

このような事態を避けるためには、生前からの対策が有効です。具体的には、遺言書の作成、生前贈与の活用、保険金の指定、共有持分の整理などが挙げられます。税務と家族の事情を両立させるには、早めに専門家に相談することが肝心です。

○まとめ

遺産分割は、単に財産を分ける作業ではありません。法定相続分を意識しつつ、相続税負担や家族関係にも配慮した分割計画を立てることが、円満な相続と節税の両立につながります。感情とお金が絡む相続だからこそ、「備え」が大切になります。

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この記事を書いた人

近藤 修

税理士

近藤 修

昭和50年1月11日生まれ
洋楽に憧れ、高校時代にギターを始める
大学時代はバンドでボーカルを担当
スポーツにも憧れ、テニスも経験
テニス以外も野球、サッカー観戦大好きです。
会計の専門学校で税理士の講師もしています。
好きな言葉は「サプライズ」
常にサプライズをもたらし、感動を与えたい
日々勉強!日々精進!