給与から引く税金のあれこれ

#所得税
中西 灯

税理士

中西 灯

 

皆さんこんにちは

迫りくる暑さに今年も命の危機を感じている中西です。

 

毎年7.8月頃はすごい暑さの日があるので「猛暑警報」とか作った方が良いのでは…と思っていたら

「熱中症警戒アラート」なるものが2020年7月から関東甲信地方で先行導入され

2021年4月からは全国規模で運用されているようです。

私は知りませんでしたがメジャーな存在なんでしょうか。

 

 

今回はこの時期になると良く頂く質問に関して投稿します。

 

「従業員の給料から引いた所得税はどうすれば?」

「会社に住民税の書類が来たんだけど、なにこれ?」

 

ティームズは新しく開業された新設法人のお客様が多数いらっしゃいますが

源泉所得税・特徴住民税は新設法人の社長・総務経理の皆さんがぶつかりやすいポイントです。

 

 

まずは源泉所得税のほうから解説します💡

 

社員に給与を支払う時は、毎月の給与に応じて”今年分の”所得税を徴収します。

これが「源泉所得税」です。

※今年分のというワードに””を付けましたが少々ポイントになるところです(後述)

 

徴収した源泉所得税は、以下のスケジュールで税務署へ納めます。

原則:毎月翌10日まで

従業員10名以下で特例の申請をしている場合:1~6月分を7/10まで、7~12月分を翌年1/20まで

従業員10名以下の比較的小さな会社だと特例を使っていることが多いです。

 

沢山従業員がいたり給与が高い会社だと、

一度に多額の源泉所得税を納めないといけない可能性があります。

源泉所得税は社員の皆さんにかかる税金を会社が預かり、代わりに支払うものなので、

会社で使いこんでしまわないように注意しましょう。

 

ちなみに・・・

その月の給与に応じた源泉所得税を毎月徴収しますが、それは概算です。

年の中で給与が多い月もあれば少ない月もあるでしょうし、生命保険などの控除を受ける可能性もあるなど

1~12月の各月に徴収した概算の源泉所得税と

その年の年収・控除が確定した後に計算した所得税額では差額が生じます。

その差額を調整するのが年末調整の手続きです。

 

 

 

つぎに住民税のほうです💡

 

今回は会社に納付書が届く「特別徴収住民税」に限って解説します。

個人事業主の方など、自宅に納付書が届く「普通徴収住民税」は今回は割愛させて下さい。

 

個人には所得税・住民税ふたつの税金がかかります。

給与所得者の住民税は、源泉所得税と同じように給与から徴収し、会社が代わりに納めます。

 

1~12月の給与が確定し、年末調整の手続きが済んだら

会社から社員が住んでいる各市に対して、誰にいくら給与を払ったか報告します。

(給与支払報告書という書類を提出します)

 

そうすると市が各社員の住民税を計算して

翌年5月頃に ○○さんの給料から毎月○○円の住民税を引いて、市に納めてね という書類を送ってきます。

これが「特別徴収税額の決定・変更通知書」です。

 

これが初めて届いた経営者さんはおどろいて

所得税払ってるのに住民税も払わなあかんの!?と仰るのですが

払わなあかんのです。

これも社員の皆さんから預かって会社が代わりに払うものです。

 

通知書に書いてあるとおりの金額を社員の給与から徴収して、納めて下さい。

こちらも原則 毎月翌10日納付です。

 

源泉所得税と同じように半年に一度納税にする特例もありますが

各市にそれぞれ申請書を出さないといけないことや従業員の退社があった場合など

事務的な煩雑さがあるので、個人的にはあまりおすすめしません。

 

 

源泉所得税は「今年分の」所得税の概算を毎月徴収するのに対し

特徴住民税は「前年の所得から計算した」住民税を毎月徴収します。

 

同じ月の給与から引く税金でも

所得税は今年分の概算の金額

住民税は前年所得に基づく確定した金額

という差があります。

 

また、源泉所得税は自社で計算した金額を納めるのに対し

特徴住民税は市が計算した金額をその通り徴収するという違いもありますね。

 

 

給与から引く税金一つとっても、何とややこしいんでしょう。

 

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この記事を書いた人

中西 灯

税理士

中西 灯

平成3年9月22日 兵庫県神戸市生まれ
平成26年12月 税理士試験 官報合格
平成27年11月 税理士登録(登録番号131411)
第128回日商簿記1級 全国模試1位
お酒と食べることが大好きです。
趣味はペットのうさぎ・チンチラを触ること
大阪で一番相談しやすい税理士を目指します。