あっという間に暑い日が・・・、
いい天気だと「ゴルフ行ったら気持ちいいだろうな」「いや、行ったら行ったで暑いか・・・」
などと妄想している税理士法人ティームズの友松です。
今回は真面目な記事で「賃貸物件の空室期間と貸家建付地の評価」です。
貸家建付地については、聞いたことあるよ!という方も多いかと思います。
相続税申告の際に、アパート等賃貸物件の敷地は貸家建付地として評価します。
自用地としての評価を100%とすると、評価減を行なうわけです。
※貸家建付地の価額=自用地とした場合の価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
算式に下線を引きましたが、賃貸割合というもの皆さまご存知でしょうか?
全室賃貸中であれば賃貸割合は100%となり、全く問題ありませんが、中には空室となっているケースがあろうかと思います。
空室であった場合、賃貸割合をどう考えるのか・・・が今回のテーマです。
財産評価基本通達26には、賃貸割合は原則として、課税時期において実際に賃貸されている部分で算定するが、「継続的に賃貸されていた各独立部分で、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含むこととして差し支えない」という記載があります。
この一時的というのが曖昧なもので、次のような事実関係から総合勘案するものとされています。
①各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものか
②賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたか
③空室の期間、他の用途に供されていないか
④空室の期間が課税時期の前後の例えば1ケ月程度であるなど一時的な期間であったか
⑤課税時期後の賃貸が一時的なものではないか
ここで考えたいのは、さすがに、④の「1か月程度」を形式的に適用する税理士さんは居ないと信じたいですが、基準が曖昧なことも事実です。
1か月で次の入居者が決まったら苦労しないというオーナー様の声が聞こえてきそうですが、最近の判例においては結構厳しいものが多いのも実情です。
×一時的と認められなかった事例
<裁決番号 平250052 裁決年月日 平260418>
この判例では、空室期間は最も長いもので8年間、最短のもので4か月だったものが一時的には当たらないとして裁決されています。
<裁決番号 平260043 裁決年月日 平270217>
この判例では、相続開始日から1年を経過してもいまだに賃貸されていない各独立部分が複数存在するほか、相続開始日後に賃貸された各独立部分についても相続開始日前後の空室期間は最短のものでも5か月を超える期間に及んでいるとして一時的には当たらないと裁決されています。
◎一時的と認められた事例
<裁決番号 平190025 裁決年月日 平200612>
空室期間は、短いもので2か月、長いもので1年11か月ではあるが、請求人は、当該空室について速やかに所要の手当てを施した上で不動産業者に入居者募集の依頼を行っているほか、築25年の当該共同住宅について定期的に補修等を施すなど、経常的に賃貸に供する意図が認められる。なお、当該共同住宅の近隣周辺にはマンション等の共同住宅が林立していることからすると、空室が発生したからといって速やかに新入居者が決定するような状況ではなかったことが認められる。また、当該共同住宅の各部屋の間取りも全室すべてが統一されたものであり、各室に対応した駐車スペースも確保されるなど、その形状は共同住宅としてのものにほかならない。加えて、被相続人は、相続開始日まで継続して当該共同住宅を賃貸の用に供し、不動産収入を得ていたことは明らかである。以上のことを総合して判断すると、当該空室は一時的に空室となっていたにすぎないものであると認められた
納税者の主張が認められた事例としては貴重な存在だと思います。
保守的な評価・申告とするか、積極的に評価・申告していくのか悩ましいところですね。
上記のように、明確にどの程度の期間までならばOKなのだという基準が無いことはもちろんですが、この裁決をベースとした判断資料は準備した上で、納税者である相続人へリスク説明をさせていただくことも肝要だと再認識した今日この頃です。
・・・賃貸割合というたった4文字の言葉ですが、たくさんの事情を考慮しないといけないことは伝わったかと思います。
ちょっと突っ込んだ内容のブログで、ニーズがあるのかどうかは正直無視した記事となりましたが、弊社の行なう業務の一端を垣間見ていただけるのではないかと自負しております。
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